フランス丘陵地帯のワイナリー「ドメーヌ シルレ」訪問レポート

こんにちは、酒販課の玉井です。
今回は、ボルドー市街から南へ車で
2時間と少し走ったところにある小さなワイナリー
「ドメーヌ シルレ」への訪問をレポートします。

そこは、ガスコーニュ地方とも呼ばれる丘陵地帯で、
大西洋からの湿度の高い風と、
ピレネー山脈からの乾燥した風が
絶え間なく吹き抜ける地域。その風が吹き抜ける
擬音から「シルレ」と命名されました。

(ワイナリーとその横のぶどう畑)


(ぶどう畑とワイナリー当主のフィリップ・フェザス氏)

ぶどう栽培にとって、風は重要な役割を持っていて、
風通しが良くなることにより、葉っぱの病気、
ぶどうの房の病気などの予防、
樹に付くウイルスや虫の除去など、
良いぶどうを収穫できるメリットがあります。

また、丘陵地域に畑があることにより、
特長を活かしたぶどう栽培ができます。
東や南向きの柔らかい朝日を長く浴びる畑、
西や北向きの強い西日を浴びる畑と、
それぞれ少し異なる気候の中で育った
ぶどうを収穫することができるのです。

4月に私たちが伺った時期は、
ぶどうの小さなお花が所々に見受けられ始め、
春の息吹を感じられる素敵な季節でした。

(ぶどうの花が咲いている様子)

ぶどう畑をよく見ると、畝の間にマメ科の
植物が育っています。こちらは昨年秋の
ぶどう収穫後に、種をまき育ったもので、
マメ科の植物は、根に窒素固定細菌を
共生させて生きていくため、
土壌にぶどうの生育に必要な窒素を蓄えてくれます。

さらに害虫対策や雑草対策と、
ぶどう樹が休眠している冬から春先にかけ
大活躍しくれますが、春のぶどうの芽吹きと共に、
刈り取り粉砕され畑の中に混ぜ込まれ、
今年も良いぶどうを実らせてくれる
助けとなっています。
この時は、私たちに見せてくれようと、
最後の1区画を残してくれていました。

(マメ科の植物に埋もれるフィリップ・フェザス氏)

ドメーヌ シルレの当主であり醸造家の
フィリップ・フェザス氏は、
ぶどうの栽培を行うご両親のもとで育ち、
世界中で使用されているワイン用樽メーカーの
トップブランド「セガン・モロー社」に
勤めていました。

当時、フィリップ氏は、奥様との
結婚式のときに振る舞うワインは、
ご両親の育てているぶどうで造ろうと
考えていたそうで、1994年収穫のぶどうで
ワイン造りを行いました。

そのワインの美味しさに、
友人や取引先のシャトーの方々から
口々に「毎年造ってみたら?」と言われた事から、
ドメーヌ シルレが始まりました。

(ファーストヴィンテージ〈1994年〉のワイン)



(セガン・モロー社の樽)

フィリップ氏は現在、
「セガン・モロー社」の顧問となっており、
同社で担当している
シャトー・ムートン・ロートシルトや
シャトー・オーブリオンといった顧客から、
使用済の樽を譲り受けて
自社のワインに使用することで、
ワインの品質向上に努めています。

ワイナリーの敷地内には、醸造所や熟成庫、
ご自宅などがあります。
醸造所の中は大変綺麗にされており、
人の口に入るワインに
異物などが混入しないよう配慮がされていました。

(ワイナリー内の様子)

また、ボトリングは最新の設備を持つ
専門のボトリング業者へ委託しています。
作業工程を全てデータ化し、何か問題が発生しても、
どのロットに問題があるのかや、何が原因かが
すぐに判明し、設備の老朽化の心配なく、
安全にボトリングする事ができるのです。

(ボトリング用の大型トレーラー)

フランス国内でも銘醸地ボルドーから
近くという事もあり、
このような専門の業者があることに、
さすがワイン大国フランスだと驚きました。

次回は、ドメーヌ シルレでの
成城石井オリジナルワインのブレンド検討会
についてお伝えします!お楽しみに!

♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢
成城石井ではドメーヌ シルレの
ワインを販売しております。

フィリップ氏のこだわりの詰まった
ワインを一度ご賞味いただいては
いかがでしょうか?

アッサンブラージュ ルージュ


コート・ド・ガスコーニュ アッサンブラージュ ブラン



ガスコーニュ ドメーヌ シルレ



シルレ ローブ オレンジワイン


コート・ド・ガスコーニュ シルレ ロゼ ル タンデフルール