フランス・ボルドーにてワインの先物買い「アン・プリムール」買い付けレポート

こんにちは、商品部 酒販課の若林と玉井です。

4月にフランス・ボルドーで開催された
「アン・プリムール」に参加してきました。
3回に分けて現地の様子をお伝えします。


■プリムールとは?
フランス・ボルドー地方の独特な習慣で、
“まだ完成していないワイン”を熟成中に選び
ボトリングされる前に購入する、
いわゆる「ワインの先物買い」の文化があります。


(アン・プリムールの看板)

「アン・プリムール」では各シャトーに訪問し
熟成中のワインを試飲して購入するかを決めます。
この一連の流れを「プリムール」と呼びます。

ボルドーの格付けシャトーのように
高い価格で取引されるワインの多くは、
一般的にぶどうを収穫してからワインが完成するまで
約2年半という長い時間がかかり、シャトーは、
その長い期間販売をする事が出来ません。

シャトーの経営を円滑にするために、
完成前のワインの一部を「プリムール」で
販売する文化が生まれました。
仕入れる立場にとっても完成後に売り出されるよりも
価格が抑えられているためメリットがあります。

プリムールでのテイスティングでは、
まだ酸や渋みが強く熟成前のワインから、
未来の完成形を想像して買い付けを行います。

特に「格付1級」のようなトップシャトーから
プリムールで買い付けられるのは、
一部の限られた企業だけです。

成城石井は、これまで積み重ねてきた信頼と
実績を評価していただいて今年も参加する
ことができました。

■バイヤー2人、1日で90を超える
ワインを試す

プリムールの取引の始まりは年に一度の
「アン・プリムール」の時期です。


(プリムールでの試飲風景)

ボルドー各地のシャトーが一斉に門を開き、
関係者向けの試飲会を行います。

今年は、4月10日から17日まで、
世界中のバイヤーや評論家がボルドーに
集まりシャトーを歴訪しました。
成城石井からも、酒販課の2人で
ボルドーを訪れました。

2人で試飲したワインの数は延べ90種類ほど。
頭と体をフル回転させて、ワインの完成形を
想像しながら、各シャトーへ訪問し、
次々と試飲していきました。

■2024年はクラシックな年
2024年は雨と病気に悩まされた、
ぶどう栽培が難しい年でした。

(ポイヤックのぶどう畑)

生産者は葉の取り方を変えたり、収穫時期を
ずらしたりといったぶどうの管理面での
チャレンジをして、この困難を乗り越えました。

ボルドー全体としては、果実風味が華やかで
アルコール度数が控えめなクラシックな
ヴィンテージになりました。

そのため、近年のハイアルコールながっしりした
ボルドーワインと比べると、より飲み頃が早く
お食事に寄り添ったワインが多くなる予感がします。


(サンテミリオンのぶどう畑)

天候のこともあり、収穫したぶどうの
選果を例年よりも厳しくし、
本当に良いぶどうだけで造ったため
ワインの生産量はとても少なくなりました。

その時々で最良の対策を施しながら
自然に立ち向かい、やっとの思いで
収穫したぶどうをも、
厳しく選果した生産者のワインが
成功のつかむ事となるでしょう。

第2回ははプリムールでシャトーに訪問した
レポートを公開します!お楽しみに。

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成城石井の店頭や、成城石井.comではプリムールで
購入をした、飲み頃熟成ワインの
販売を行っています。

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フランスや日本で熟成を行い、
飲み頃になるまで理想的な環境を過ごした
円熟したワインをぜひお楽しみください。