こんにちは。青果課の大石です。
前回の続編を紹介します。
今回は山菜です。
「木の子」を視察した後、4WDで更に山道を分け入ります。
車を降りて歩いてると、案内してくれた“山男”(すいません。生産者様です。)が、「あったよ。」と指を指してくれました。
細い木の先端に… 本当だ。あった! タラの芽だ!!
「タラの芽」って木のてっぺんに出るんですよね。なんか変な感じ。
私も田舎育ちのうえにアウトドア好きなので、「山菜取り」経験は“あり”です。容易に見つけちゃいます。
良く見るといたるところに「タラの木」が…。
私が良く目にする「タラの芽」は、もっと青(緑色)いんだけどなぁ…
すると“山男”曰く… 「タラの芽」には“赤芽”と“青芽”があるんだよ。出始めは赤で、後から青になるんだ…。
知らなかった…
味的には変わらないらしいんですが、「へぇ~~っ 」って感じです。
暫く「タラの芽」を散策していると…
おやっ …。
緑色の「タラの芽」が… 。
「これが“青芽”ですかぁ?」
「いやぁ、それは“本だら”だ。」
“本だら”… ??
「木を見てごらん。棘が凄いだろ。」
本当だ。 なんて凶暴な木!
「タラの木」の棘が大きいのは知ってたけど、 …これは凄すぎ!
綺麗なバラには棘があるように、相反するファクターが存在するはず!
さぞや「本だらの芽」は旨いに違い無い!!
「これ、旨いんですよね!!」
「いやぁ、味は落ちるね。」
「そうっすか…。」
通常は品揃えとして“栽培物”の「タラの芽」を販売していますが、やっぱり「天然物」は風味が違います。
自分で販売していながら言うのも変ですが、“栽培物”は味気ないというか…。
「天然物」ならではのコクというか、“ほろ苦さ”と“旨さ”には“栽培物”は勝てません!
私のお奨めの食べ方は定番の「天ぷら」です。 シンプルに塩をかけて食します。
前回の「椎茸」と「タラの芽」… それから“春の代名詞”「筍」! これを天ぷらにして、ざる蕎麦と一緒に…
えっ… あるんですか?
そうなんです。こちらのお宅では、山に竹を植えて管理しています。
今の時期は「孟宗竹」で、5月過ぎると「真竹」がでるそうで…。
竹林も管理していないと増え過ぎ、山を侵食し始めて広葉樹等を枯らしてしまいます。
そのうえ間引きしないと良い筍も、出なくなります。
山は荒れ果て、美味しい筍も出ない…。
前回も言いましたが、里山の管理って大切ですよね。
ほどなく歩くと竹林が現れました。
フカフカの土壌…
ここにも“山男”のこだわりが…。
「秋に落ち葉を集めて、被せとくんだ。」
なるほど、これなら土壌に栄養分が蓄えられ、筍も光に当たらず穂先が黄色いまま柔らかく…
でも、何処に生えてるんだろう??
すると“山男”がスコップを片手に落ち葉を払い始めます。
でた!
落ち葉の下から筍が顔を出しています。
“山男”が掘り起こすと、金色に輝く筍が…。
更に“山男”は次々と「竹の子」を掘り当てて生きます。
凄い、何で分かるんだろう?
“山男”って「カッコいい!」
思わず、憧れちゃいます。
文明社会が崩壊しても、サバイバルに生き残るであろう“山男”。
それに引き換え、コンクリートジャングルでひ弱に生きてる私…。
情けない…。
こちらの筍は正直言って、細長くて見栄えは良くありません。
でも、きっと柔らかくて美味しいはず。
ましてや、今日掘った筍なら…。
掘っていただいた筍を、我が家で茹でてみました。
筍を茹でる際に「ヌカ」や「米の砥ぎ汁」、「灰」、「重曹」等で“アク抜き”をしますが、何も無くても“アク抜き”をする方法があります。
(家にヌカを常備している家庭って、そんなにいらっしゃらないですよね。)
それは“沸騰した状態から1時間茹でる”んです。筍工場の方から伺いました。茹で上がったら一気に品温を下げます。
冷たい水(氷水がベスト)で一晩置きます。
翌日…
先ずは、茹でた筍をワサビ醤油でいただきます。(刺身感覚)
う~ん。適度に残るほろ苦さ、シャキシャキした歯触り。
旨い。
次はお吸い物、筍の香りが
香しい。
止めはやっぱり
筍ご飯です。
炊飯器を開けた瞬間に…
筍の香りが…
爆発 です!!
なんと香しい!
ご飯にしっかり香りが付いてます。
筍を口にすると…
下の部分は
“シャキシャキとした歯応え!”
穂先の部分は…
“柔らか~~い!!”
エグ味も殆ど無く、香り高くて… 甘味さえ感じます。
この味を是非、
みなさんに届けたい!!今回はこの筍を夕方に掘っていただいて、収穫後最短18時間で店頭に並べたいと思います。(1日=24時間経過する前に!)
こちらも大量に掘れる物ではないので、必ず店頭に並んでるわけではありませんが、御機会があれば是非お召し上がりください。