酒販課の川村です。
今回は4月の末に訪問した
出羽桜酒造のお話をしたいと思います。
出羽桜酒造は山形県天童市にあります。
天童は知る人ぞ知る
将棋の駒の名産地です。
この日は奇しくも年に一度の「人間将棋」の日でしたが、残念ながら人間将棋の模様は見ることが出来ませんでした。ちなみに人間将棋と言っても、将棋駒の着ぐるみを着るわけではありません。(私はずっと着ぐるみを着るのだと思っていました…)
さて、私たちは到着してすぐ、常務からお話を伺いました。
常務が営業を始めた頃は、東京では灘、伏見のお酒のシェアがほとんどで、東北のお酒には見向きもしてもらえなかったそうです。しかし、今から30年くらい前に
「地酒ブーム」が起こり、「地酒」が好んで飲まれるようになりました。巷が地酒ブームで沸き立つ一方で、出羽桜は
地元でしっかりとした市民権と存在感のある酒を目指し、多少のリスクを侵しながらも費用を惜しまず、一般に飲んでもらえるお酒を造ってきたそうです。
私達が訪問した日は今シーズン最後の搾りの日でした。仕込みはすべて終了していたので、仕込みの工程を聞きながら、蔵を見学しました。
精米所に耐震用の装置がついていました。これは地震対策ではなく、
お米の粒が壊れない為に付けているそうです。そのハイテクっぷりに驚きつつ、次ぎに仕込みの蔵に行ったら、
今度は余りにも手作業である事に驚きました。この写真を見ていただくと分かりますが、
蔵人たちが蒸しあがったお米を担いで階段を上り降りしているのです。ベルトコンベアーのようなものはほとんど使用してないそうです。
そして、まさに搾りたての純米大吟醸を試飲させていただきました。
お味はもちろん最高でした。(非売品だそうです。)
手間暇を惜しまず、ただただ「旨い酒」を目指した結果、全国鑑評会金賞受賞を重ねるような銘酒になったのですね。
地酒ブームも下火になり、焼酎ブームに押されたりしている日本酒ですが、蔵元さんのおごることのない、
地元のお客様から圧倒的支持を得て、
「旨い酒・・・は出羽桜」との声を頂くように精進しています。
と言う言葉を胸に、日本の文化である「日本酒」を味わいたいとつくづく思いました。