こんにちは。
青果課の大石です。
今回、紹介するのは「なす」です。
でも、ただの「なす」ではありません。
“赤なす” です。
これまでも成城石井では普通のなす(といっても「千両なす」とか「竜馬なす」とか、細かい種類は多いですが…。)を始め、長なす・米なす・賀茂なす・水なす・十全(きんちゃく)なす・小なす・青なす… と色んな茄子を販売してきましたが、特にお薦めの茄子です。
やってきたのは熊本県熊本市内田町(旧:飽田町)この地方は古くからの「赤なす」の特産地。
この土地の気候と土壌が、「赤なす」の生育に適してるんですね。
古くは露地栽培でしたが、現在の主流は安定出荷が可能なハウス栽培です。
生産者に伺ってみると、「赤なす」には“熊長”と云われる古くから栽培されている在来種と“肥後むらさき”と命名されたF1品種(種苗会社による1代交配品種)の2種類があります。
特徴としは“肥後むらさき”の方がでっぷりしているものの、食味の違いについては問題になるレベルでは無いようです。(好き好きですし)
土壌は堆肥・有機質肥料を中心にボカシ肥等を施し、農薬の使用も慣行栽培の1/2以下で栽培しています。「美味しい物を作る結果として、安全な物が出来る。」・・・ 理想的ですね。
さて、ハウスに入ってみると…。
蒸し暑っ!
いつもの事ですが、ハウス内は温度が高い!
夏が旬の野菜なだけに、当たり前といえば当たり前なんですが…。
農家さんとバイヤー・・・
野菜バカ(注:好きという意味です。)のハートに火が付くと、1時間程話し込む事もあり・・・
気が付くと汗びっしょりになってる事もしばしば・・・。
やっぱり野菜とか・・・ 自然とか・・・
好きなんですね。
広いハウス内に沢山植えられた茄子の木に・・・
ぶら下がってました!
でかっ!
太陽の光に照らされて、紅く輝いています。
初めて見た訳ではないのに、その大きさには新鮮な驚きが付きまといます。
ちなみに普通の「なす」と大きさを比べてみました。
でか過ぎて、なんか笑っちゃいます。
このデカなす・・・ もとい、赤なすをどうやって食べよう?
以前、TV番組で「焼きなす」にしてたのを思い出したので、生産者さん達に聞いてみました。
「地元ではやっぱり“焼きなす”で食べるのが、一般的ですか?」
「いやぁ、俺はチーズ。」
「俺も焼くことは焼くばってん、チーズで焼くとよ。」
えっ・・・。
TVで事前に得た“前情報”は打ち砕かれ、新たな現地情報・・・。
現場でなければ、分からないことってあるんですよね。
結論としてはチーズと相性が良いらしい・・・。
・・・ということで、やってみました。
我が家のフライパンでは入りきらなかった(切れば良いんですけど)ので、オーブンで焼きました。
作り方は至って簡単!
①「赤なす」を丸ごとオーブンに入れ、250度で10~15分位焼きます。(表面に焼き色が付けばOK!)*焼き魚のグリルでもできます。
②切れ目を入れて開きます。
③塩・胡椒を少々ふり、トマトソースをかけたら、チーズをのっけて終了!
(*トマトソースはかけなくても大丈夫です。)
お好みにより、パセリをかけると彩り良く仕上がります。
なすは油を良く吸収するので、しつこくなりがちですが、油をひかずに調理できるので、くどくなくヘルシーに仕上がります。
初めて食す「赤なすのチーズ焼き」・・・。
箸でかぶりつくには、余りにも巨大な相手・・・。
ナイフとフォークで立ち向かいます。
その味は・・・。
旨い!
アクが全然無い!!
チーズから出る油とチーズの味(塩分)が、癖の無い「赤なす」と良く調和しています。
やべぇ、うめぇ! 旨いよ!
独り言を呟きながら、ナイフとフォークを駆使し・・・
気が付いたら、あんなデカい茄子を全部食べちゃいました。
完食です。
ちなみに私は成人するまで、茄子は嫌いで食べれませんでした。
もちろん、今は嫌いな食べ物ではありませんが、大好物でもありません。
これは癖になります。
2日連続で、丸一本ずつ完食しました。
関東では千両なす等が一般的で、長なすや米なす等の大型のナスは人気がありません。
でも、九州では逆なんですよね。
最後に一言・・・
「熊本の良かナスば、是非食べてみなっせ!」
「まうごつ、うまかですよ!」