高原からの“想い”
こんにちは、青果の大石です。

今回ご紹介するのは、
八ヶ岳を望む、長野県川上村の高原レタスです。

このブログのコーナーが始まるにあたり、真っ先に思い浮かんだ野菜・・・。

一番最初に書き込みたかった野菜です。


数多く仕入している野菜の中でも・・・

素晴らしいお付き合いをさせていただいてる、
沢山の生産者さんの中でも・・・

もっとも想い入れの深い・・・


渡辺農園さんです。

雄大な自然の中で!



お付き合いをさせていただいたのは、11年程前に遡ります。

バイヤーになって、初めての大仕事・・・
産地から直接商品を仕入れするための交渉を・・・

何を喋ったら良いのか?
どう、きりだしたら良いんだろう?
断られたら、どうしょう?
・・・不安で一杯だったのを、覚えています。

現地に到着し、農家さんと挨拶を交わし、自己紹介・・・
気さくな方で、不安は見事に一掃!

その後、畑に向かいます・・・

高原の清らかな空気・・・
そこに広がる一面のレタス畑・・・
スケールの大きさに、「東京の食料をまかなっているのは、こういう所なんだ!」と、思わず心の中で感謝していました。


当時は野菜の栽培方法等について、まだ詳しくなかったので、
“仕入する”というよりは、“勉強させていただいてる”という感じでした。

~ 事前に“渡辺さんの叔父様”からレタスをいただいていたので、
普通に出回ってるレタスと、食べ比べしていたのですが・・・
普通のレタスが苦いのに比べ、渡辺さんのレタスは甘い・・・
頭の中は  だらけ・・・
「その苦さは、化学肥料による苦さだよ。」
と“渡辺さんの叔父様”に言われて・・・
「世の中に出回っている野菜は・・・?」
と考えさせられました。 ~


農家さんの説明を「ふむふむ」と聞く・・・
出来上がったレタスと、農家さんの説明を照らし合わせると・・・
ハッキリ分かった事がありました。

それは・・・

“作物・土に手をかけ、想いをよせること!”

その結果が・・・

“出来上がった野菜に、ストレートに現れる!!”

ということでした。



一面に広がるレタス畑・・・

遠くから眺めると、畑の色が違います・・・
黄色い畑と緑の畑・・・
となり合った畑なのに、生育状態が全然違うんです!
当時は病気が発生していたので、黄色い畑では葉っぱが溶けたり、黄変したり・・・
渡辺さんの畑では、多少の被害はあるものの・・・ 
青々と茂っています。
同じ土地,同じ気候で、栽培者によって「何で、こんなに差が出るんだろう?」
と強い疑問が、駆け巡りました。

渡辺さんの信念では、人間も野菜も同じ・・・
楽に育てたいから、ファーストフードやジャンクフード一辺倒にしたり、
病気になってから薬漬けにするんじゃなくて、

“健康な身体を作って、病害虫を寄せ付けないようにする!”

ということです。
だから農薬も化学肥料も、

「適切な時期に、必要最小限だけ使用する。」

その考えが、私の野菜に対する考えの基軸となりました。
もちろん、渡辺さんは研究を重ね続け・・・
自然農薬で補える部分については、化学合成農薬を使わない!
肥料についても同様で、土壌改良には小麦を植えて鋤き込んだり、微生物資材を利用して病気を減らしたり・・・。
本当に頭が下がります。

渡辺さんが安全な農業に傾倒していったのには、訳がありました。

可愛がっていらっしゃったお嬢様が、病気になったのです。
お嬢様の病気を治そうと、文献をあさったりするうちに・・・
「まてよ、これは人間も野菜も一緒なんじゃないか?」
と気付かれたようです。

しかも川上村は“日本の高原レタス発祥の地”であり、
「先祖から代々受け継いだ畑を、次世代の子供達に最高の状態で渡したい!」
そういう“強い想い”が、“こだわりの栽培技術”に特化していったんです。

切り口を洗浄する水にも、品質へのこだわりが・・・


私は・・・

「このレタスを必ず成城石井のお客様に、召し上がっていただきたい!」

「今、畑で見ている“このままの状態で届けたい!”」

そんな強い衝動に、駆られ・・・

「何がなんでも、成功させてみせる!」

と心に誓ったのを、覚えています。

“このままの状態”で届けるには・・・

「絶対に、鮮度は落とせない!」

「朝、収穫していただいて、その日のうちに売場に並べる!」

「朝採りで産地直送だ!」 

~ 我々もAM3:00に起きて畑に行きましたが、 
農家さんはもう作業をしていました・・・。 ~
 
暗い内から、電灯を点けて・・・



実現までには困難もありましたが、
何とか克服し販売デビュー・・・

大好評のうちに、シーズン終了・・・

お客様からの

「あのレタスは、もう無いの・・・?」

という嬉しい御言葉・・・

当時、厳しかった常務からの

“お褒めの言葉”・・・




あれから11年・・・

農家さんはもちろん・・・
運送屋さん他・・・

多くの方々の努力により・・・


今年も7月1日より、
川上村から“朝採り”(注)で、
高原の清々しい空気と、健康な土壌・・・

そして何よりも

「安全で美味しい物を、食べていただきたい!」

という“強い×2想い”のこもった・・・

“高原からの贈り物”

を販売させていただいています。

注):一部の店舗においては、朝採りでお届けできない店舗がございます。
   申し訳ございません。